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2021年度高校入学式
2021年度の高校入学式を行いました。
昨年度は時期も遅れ,各クラス毎,生徒のみの入学式となってしまいましたが,今年度は予定通りに保護者の方もお一人ずつではありますがご参列いただいて挙行できました。
<学校長式辞>
新入生のみなさん、聖徳学園高等学校へのご入学おめでとうございます。
在校生・教職員も皆さんを心から歓迎いたします。
例年ならばご来賓、在校生を初めとして多くの人でお祝いし、新入生一人一人に私から身分証明書をお渡ししておりました。
しかし、現在の感染状況を踏まえて時間を短縮した簡素なものとし、保護者の参列も1名でお願いする形になってしまったことをお許しください。
でも、新入生の皆さんは心配しないでください。
さきほど、代表生徒が読み上げた言葉は校訓と言います。
この聖徳学園に学ぶ者が一番大切にしている教えです。
その中に「和をもって尊しとなし」という一節がありました。
きっと、学校生活の色々な所に「和」の雰囲気を感じる事と思いますし、多くの人が皆さんを助け、やさしく見守ってくれます。
さて、新入生の皆さん。中学校生活の集大成となり、たくさんの思い出を作るはずであった皆さんの中学3年生の学校生活はとんでもないことになってしまいました。
どうして私たちだけ、こんな思いをなんでこんな思いをしなくてはならないのか」と感じた人も多かったことでしょう。
そして、一番大変だったのは、出口の見えないコロナ禍という「不安」であったと思います。
しかし、見方を変えると、皆さんは間違いなく新しい時代が作られていくという、歴史上希にみる動きの真っ只中にいる目撃者なのです。
しかし、ただ大変だ、つまらない、めんどくさいとネガティブなことばかり言っていると単なる目撃者で終わってしまいます。
しかし、もっとこのことを変えてみよう、このようにしたら面白いかもしれない、もっと何かできないかなと考えると、皆さんは、新しい時代の創造者になれると思います。
そこで2024年から登場する新しい一万円札に描かれる渋沢栄一という人の言葉を紹介します。
江戸の終わりから明治というやはり時代の転換期に生きた経済人です。
様々な苦労を乗り越え、生涯に五百以上もの会社を創業したことから、「日本資本主義の父」と呼ばれるほどの偉人です。
今、NHKの大河ドラマでも取り上げられていますね。その渋沢が残した夢七訓という言葉があります。
耳で聞くだけでは少々難解な表現ので、分かりやすい表現で言うと、次のようになります。
①夢がない人間は理想がない。
②理想がない人間は信念がない。
③信念がない人間は計画がない。
④計画がない人間は実行しない。
⑤実行しない人間は成果が出ない。
⑥成果が出ない人間は幸福になれない。
⑦だから、幸福になりたいなら、夢を持ちなさい。
中学校の三年間と高校の三年間はどこが違うのでしょうか。
高校の三年間は、将来どのようなことを専門的に学び、どのような仕事に就くのかという夢をきちんと持つための時間です。
ただ、何もしなければ夢は現実のものになりません。
夢はすぐに消えてしまうからです。
だからこそ、渋沢は信念をもって理想を追求すること、そのためには計画をしっかりとたててきちんと実行し成果を出すことが大切だと言っているのです。
物理的には三年間というのは中学も高校も同じですが、卒業する時、先輩たちは口をそろえて言います。
中学よりものすごく短かったと。
漫然と時間を過ごすのではなく、違いを認めて協力し合う事の大切さ、失敗を恐れずに挑戦することの面白さを学んでください。
保護者の皆様、コロナ禍の中で、学校が休校になり、ご自身の仕事のスタイルも変わるなど環境が大きく変わる中でお子様の高校入試を迎えることになり、さぞご心労も大きかったことと拝察申しあげます。
本日、困難を乗り越えてきたお子様の晴れ姿を見て、感慨もまた格別であると存じます。
本校をお子様の教育の場としてお選びいただいたその思いを、私ども教職員はしっかりと肝に銘じて教育にあたってまいります。
また、今後もコロナ禍の中での学校生活となります。
当初の予定通りに何事も進まないこともあるかも知れませんが、その都度、最善の道を考えて対応してまいります。ご理解・ご協力のほどお願い申し上げます。
最後になりますが、新入生の皆さん、夢に向かって頑張っていると不可能が可能になれます。
時として自分だけでなく周囲の人を幸せにします。
さあ、出発のチャイムがなりました。夢を実現する旅が始まります。
君たちの旅路の先がきっと希望に満ちた世界であることを確信して、お祝いの挨拶を結ぶことにいたします。