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【DSコース】文学館巡りの旅
データサイエンスコースの国語では、『羅生門』(芥川龍之介)に関するレポートが1学期の最終課題となります。作品理解・作家理解を深めるため、日本近代文学館と田端文士村記念館に行ってきました。
日本近代文学館では特別展「芥川龍之介展」が開催されており、彼の人生を形作った資料が豊富に展示されていました。幼少期の答案用紙や就職時の履歴書、出張中に家族へ送った絵葉書など、わくわくする資料がたくさんありましたが、中でも特筆すべきは「遺書」の種類の豊富さです。かの有名な「或旧友へ送る手記」はもちろん、家族や文士仲間に宛てた遺書も横並びに確認でき、死に際した芥川の多様な顔が見えました。
また資料閲覧室も思う存分に活用できました。職員の方が丁寧に案内してくれたおかげで学校やネットでは入手困難な情報を得る生徒もいました。
午後には芥川が学生時代〜没年まで住んでいた田端にある、田端文士村記念館を訪れました。
常設もかなり見応えのある施設ですが、加えてこの日から特別展「友情から生まれたもの」が開催されていたこともあり、普段以上に芥川と他の文士との繋がりを強調された内容となっていました。他者との関係によって作品は大きく影響を受けるので、交友関係から作品を分析する観点を見つけられたのではないでしょうか。
ある生徒は「下人」が「一人の侍」として設定されていたり、「交野平六」などと名前が付されている『羅生門』の草稿を発見しました。「下人」の設定について研究する生徒にとって大きなヒントとなったはずです。この情報は指導教員からも事前に伝えていましたが、生のものを見てまた違った印象を受けていたようです。本来は山梨に所蔵されているものですが、展示のために田端に来ていてラッキーでした。
午前午後の長めの旅でしたが、新たな謎を抱く者、問いのヒントを得る者、さまざまでした。
ぜひ期末のレポートに活かしてほしいと思います。