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学校長より新高校1年生へのメッセージ

2020/4/9

人間とは,ガラス窓のよう

■なんで、私たちだけ・・・・・
 本来ならば本日は入学式の代わりに、クラスごとのオリエンテーションのために登校してもらう日でした。しかし、皆さんは何という「運命のいたずら」に翻弄されているのでしょうか。
もしかすると、皆さんはあまり記憶にないかもしれませんが、皆さんが小学校に入学する年の3月11日に東日本大震災が起きました。福島第一原子力発電所の事故もあり、計画停電などが実施された時期でした。皆さんの中には、卒園式や小学校の入学式が中止されたり、規模が縮小された経験をした人もいるのではないでしょうか。
 それから、9年。今度はコロナウイルスの感染拡大という予想もしなかった事態が起きました。中学校生活の最後が登校禁止になったり、卒業式も短縮したり、簡素化されて行われた人も多かったと思います。「なんで、私たちだけ・・・・・」と思わざるを得ません。

■節目の行事は未来への原動力
 だからこそ、私たちは新しい高校入学式はきちんと行って、みなさんの新しい門出をしっかりお祝いしたいと考えていました。しかし、断腸の思いで延期せざるを得なくなりました。卒業式・入学式は、皆さんの人生において気持ちに区切りをつけ、次のステージに進んでいくための大事な原動力を与えてくれる場です。
 中学の卒業式は在校している時間があまり残されていなかったので、中学の先生方もコロナウイルス感染の可能性と戦いながら、できる範囲で最善をつくされたと思います。しかし、新しい生活の始まりである高校の入学式は中止せず、延期してでも、できる範囲でしっかりとやりたいと思っています。

■勉強も大切だけど、自分の心も大切に
 せっかく、高校進学が決まったから少しはのんびりしたい。そんな気持ちの人もいることでしょう。しかし、高校生になりますと、「高校からは義務教育ではない、自分の意志でさらに勉強する事を選んだのだ。」とか、「勉強は難しくなる。」とか、「勉強は将来の自分の進路や生き方に大きく影響する。」というような厳しい話を多く聞かされることになります。
 私も例年は、将来の事、勉強の事などに触れる話をしています。しかし、今年は違います。実は勉強が大切だという事は周りから言われなくても、みなさんわかっていることですね。中学時代にも、親から「勉強しなさい」と言われて、そんな事わかっているよと気持ちがイラついた人もいるかもしれません。
おそらく、100年に1度もないような緊急事態の中に私たちはいます。勉強はこれからたっぷりすることになりますから、今は、自分の心をどうやって落ち着かせるかということを大切にしてください。

■つらい時だからこそ、感謝の気持ちを
 日本中の人が不安を抱えイライラとていると思います。特に皆さんは、中学校生活の最後を思うような形で終える事ができませんでした。さらに、ただでさえ新しい生活への不安も大きい中で、高校の入学式も延期され、担任の先生もどんな人なのか、同じクラスにどのような人がいるかもよく分からない状況にあります。
 「つらい。本当につらい。」
 しかし、もっとつらい思いをしている人もいます。お父様、お母様や皆さんのご家族も、皆さんのためにつらさをこらえて、頑張ってくれている事でしょう。また、コロナウイルスに感染するかも知れないという恐怖と戦いながら、患者の命を救うために奮闘している医療関係者の方々など、私たちが社会生活を維持するためにお仕事を続けていらっしゃる方もいます。このようなつらい時だからこそ普段は気づかなかったこと。つまり、自分が多くの人に支えられている事のありがたさに気が付いて欲しいと思います。そして、自分が支えられていることへの感謝の気持ちを持ちましょう。もしかすると、私たちは100年に1回しか学べない大切な事を心から深く学んでいるのかもしれません。

■有意義な休校期間に
 本来ならば新入生オリエンテーションを行い、皆さんにiPadをお渡しし、その基本的な使い方や特によく使用するアプリ等について説明するはずでした。しかし、休校措置をとることで実施ができないことになりました。本日、皆さんに学校からiPadを自宅に送りました。到着したら、「You& iPad 聖徳の目指すビジョン」という生徒向けの説明の文章が入っていますので、必ず読んでください。また、実際に色々と触ってみて試してみてください。iPadはきちんと使えば皆さんの世界を広げてくれるものです。ゲームしかしないというような誤った使い方はしないでください。
 休校中は基本期には学年の先生から出された指示に従って、生活してください。そして、感染拡大を防ぐためにもむやみに外出しないようにしましょう。特に3密と言われる空間には立ち入らないよう努めてください。皆さんが感染になると、ご家族にうつしてしまう危険性もありますし、予定した通りに学校再開は難しくなり、多くの人の生活に影響を与えてしまいます。十分な睡眠とバランスのとれた食事を心がけ、深夜に及ぶスマホ等の使用は避け、生活リズムを整えるよう心掛けてください。

■We want to see you soon!
 コロナウイルスの感染の危険性がなくなった上で休校措置が解除されたならば、ゴールデンウィーク後の5月7日(木)に始業式と学校生活のオリエンテーションを行います。そこで、新しいクラスメートや担任の先生と出会いがあります。待ちに待った上での高校生活の始まりの時なので、皆さんにとって忘れる事の出来ない日となることでしよう。それまでの間は、先生方の指示に従って生活してください。しっかりと勉強を続けてください。また、状況に応じて学校から連絡がありますので、トークノートという学内SNSのアプリを使えるようになってくれると助かります。
 本来ならば、ゴールデンウィーク明けに、高尾にある「わくわくビレッジ」というところで、2泊3日のスプリングキャンプを行い、クラスの仲間の友情を深め、中学からの一貫生と交流するとても楽しい行事がありました。しかし、その宿泊行事もいったん白紙に戻すことになりました。しかし、コロナウィルスの感染拡大の危険性がなくなったら、仲間と一緒に寝泊まりする体験がどこかでできるようにしたいと思います。
 皆さんが少しでも安心して、高校生活を始める事ができるよう、先生方はしっかりと準備を続けていきます。
「人間とは、ガラス窓のよう。太陽が照っていればキラキラ光るが、暗いときは、内側から明かりを照らさないと、光は見えてこないのです」エリザベス・キューブラー=ロス(スイス/精神科医)
 こういう時だからこそ、まずは自分の心の輝きがなくならないよう、気を付けてください。
そして、今貯めこんだエネルギーを高校生活で一気に発散させてください。みなさんと一緒に学校生活ができる日を心待ちにしています。

2020年4月9日
聖徳学園中学・高等学校
校長 伊藤 正徳