今の中学生、高校生が大人になったとき、どのような世の中が待っているのかを予想するのはとても難しいことです。ほんの10年前から今までの変遷を見ても、インターネット環境は大きく変化し、日本国内を訪れる外国人の数は飛躍的に増え、世界が抱える問題も多様化しています。そのような社会の中で求められる力とは、正解のない問いに挑戦できる発想力であり、思考力です。日本人は正解のある問いに対して勤勉に努力して答えを出すことに関しては非常に優秀ですが、これからは、予測しなかった事態に対しても柔軟に対応できる力が必要です。
本校のSTEAM教育は、予測が難しい未来に生きるための基礎を身につけるものです。トライ&エラーを繰り返しながら課題を解決する「マインド」を育て、新しい価値を創造できる人間を育てます。
(校長 伊藤正徳)<Apple Teacher 2017年取得>
本校のグローバル教育は、さまざまな国々と多様な人々がボーダレスにつながっていくための教育です。従来の日本には、異質なものに対する抵抗意識がありましたが、ネットワーク上で人々がつながることが当たり前となり、多様な価値観に日常的に触れる機会がある今、多文化共生は避けることのできない現実です。本校の生徒たちもまた、国際協力プログラムや海外研修、そして学校を訪れる海外のゲストたちなど、さまざまな国の人と交流し、協働する機会があります。その中で、「世界と共にある自分」を見つけ、将来の選択につなげてほしいと思います。
<Adobe Education Learder 2019~2020,Apple Teacher 2017年取得>
本校の卒業生として思い描く聖徳学園のイメージは「自由な発想を持った人たちの集まり」です。それは自分勝手に何でもやるということではなく、自由の中にもルールがあり、「和をもって尊しとなす」を大切にする校風でもあります。
本校が実践するSTEAM教育には、「こうしなければならぬ」はありません。各教科と区別して存在する1つの教科ではなく、他教科とリンクして発展するものです。だからこそSTEAMで取り組んだ結果は「課題学習」ではなく、「作品作り」なのです。
STEAM教育に取り組むとき、教員も生徒と一緒に考える学習者です。一人ひとりがどんなアウトプットができるのか、教員は生徒と一緒に楽しみにしています。
<Adobe Education Leader 2019~2021,Apple Teacher Swift Playgrounds 2017年取得>
本校の技術科(中学)・情報科(高校)は「STEAM」と呼んでいます。STEAMはゴールのない学びです。教員が果す役割は、「今、知っておくといいこと」「正解はわからないけれど、どこかにつながる学び」を学習の材料として提供することです。
STEAMのさまざまな取り組みを通じて、生徒たちは「こんな面白いことを考える人がいるんだな」と思ったり、「人と違っていてもいいんだ」という気づきを体験します。STEAMを通じて身につけた技術は、新しい発想や今までとは違った視点で組み合わせて、一つの課題を解決するためのツールです。「解決したいことがあるから勉強する」「面白いから取り組んでみる」というマインドがSTEAM教育を貫く軸なのです。
<Apple Distinguished Educator Class of 2015,Adobe Education Leader 2020~2021>